KC-代ノンステップバス
キュービック
KC-LV832L/N
1998~2000
いすゞがノンステップバスの開発を開始したのは1997年で、同年10月に行われた第32回東京モーターショーに初めて出品されました。当時出品されたノンステップバスはキュービックをベースにノンステップ化されたモデルで量産型のノンステップキュービックと相違ありません。その後1998年4月にノンステップバスが発売開始され、1999年に平成6年排出ガス規制適合(KC-)の型式認定を取得し、KC-LV832L/Nに正式認定されました。さらに、1999年2月にはCNG車が登場しました。初期のCNGは容器が重かったため床下に設置する必要があり、KC-LV280L改やNE-LV288L/N(どちらもCNGキュービック)のように必然的にワンステップ車かツーステップ車となっていました。しかし、高圧ガス保安法の改正により軽量のCNG容器が認可されたことで屋根にCNGを設置することが可能となりノンステップでのCNG車を実現しました。現在ではCNGノンステップキュービックは全廃されており、その姿を見ることはできません。また、サイドの2枚の窓(OKウィンドウ)や1枚ガラスを嫌う事業者に向けてジャーニーLR系をベースに作られた2分割ガラスを備えた新型のフロントマスクが開発され、東武鉄道が多く導入していたことからこのタイプのフロントマスクを「東武顔」と呼ばれています。なおこの「東武顔」のノンステップキュービックは現在しずてつジャストラインの1台のみとなってしまい、ワンステップバスも残りわずか活躍するのみです。この他にも、少数ですが西日本車体工業の96MC架装のノンステップキュービックも製造されました。
東武顔のノンステップキュービックは、エルガのフロントマスクに非常に類似していることからエルガのフロントマスクの前身と考えられると思います。また、初めてエルガのフロントマスクを使用した車両はエルガミオ(KK-LR233J1)で1999年7月に発売開始されました。ちょうどこの時期は東武顔のノンステップキュービックも製造されており、このことからもエルガ顔は東武顔を参考に作られたと言えるのではないでしょうか。
取材協力:奈良交通









