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KC-代ノンステップバスとは

​前述のように試作車扱いとして製造されたため、ドアも例外ではありません。ノンステップバスではどのドアがベストなのか研究されたと思います。そのため、2枚折りドア以外のドア(グライドスライドドア、引きドア、4枚折りドア)が採用されました。ちなみに2枚折りドアが採用されなかったのは、内側にドアが開くためお客さんの足に当たる恐れがありました。そういったこともあり折りドアは特にワンステップ車に採用されましたが数は少ないです。また、2枚折りドアは入口が狭く車いすやベビーカーが通れなかったということも採用されなかった要因だと考えられます。一方、グライドスライドドアは戸袋が必要ないので有効活用できるという利点がありましたが、扉が内側の両サイドに開くため少々の危険が伴うことや、同じ原因で繁忙期のバスでは開きずらいため、主に初期型ノンステップバスのみの採用で留まり、採用数が非常の少ない貴重なドアです。

従来のバスはツーステップ車のため床下にエンジンを搭載していましたが、ノンステップ車だとエンジンを搭載するスペースがなく急遽後部座席の後ろにエンジンを横に置いて搭載したためにデッドスペースといわれる独特な空間が生まれました。これにより車内は後部座席までのフルフラットを実現しました。しかし、その分定員が減ってしまい不評の原因ともなりました。また、後ろから車が追突した際にエンジンが車内に突き刺さってしまう恐れがあるため、2005年のエルガtype-Bを最後に生産を終了しました。現在では、1~2段上がった後部座席の下にエンジンを搭載しているためノンフルフラットバスが主流です。

KC-代ノンステップバスはノンステップバスの先駆けという意味もあり試作車として製造されたところがあると考えられます。そのため車内には全種類の座席(ロングシート、クロスシート、対面式シート、背面式シート)が設置され、ノンステップバスと座席の関係性について研究されたものだと思われます。例えば、タイヤハウスの有効活用として対面式シートや背面式シートが設けられました。また、車いすやベビーカーを留めれるようにロングシートは折り畳み式です。そういった中で今後のノンステップバスへのデータを収集していたのではないかと思われます。事実、対面式シートと背面式シートはこのKC-代ノンステップバスにしかなくKL-代以降の量産型ノンステップバスには設置されませんでした。人気がなかったのでしょうか(笑)

早急に開発するためにとりあえず従来のフロントマスクをそのまま流用し、新たに開発が必要なボディー部分に集中してデザインされました。

​旧型フロントマスク+新型ボディー

​後部座席にあるデッドスペース

​全種類の座席

グライドスライドドア

KC-代ノンステップバスをご紹介するに当たり始めにKC-代ノンステップバスの特徴を押さえておきましょう。そもそもこのKC-代ノンステップバスはツーステップバスが主流だった時代に登場しのでその開発は未知の挑戦であり、まさにゼロからのスタートだったと思います。そのため試作的に造られた部分があり、以降主流となる量産型ノンステップバスのデータ収集の役割を担っていたのではないかと思います。したがって、そのような試作的な部分や開発者の創意工夫が垣間見ることができる部分がKC-代ノンステップバスの特徴だといえるでしょう。以上の点を踏まえ、KC-代ノンステップバスの特徴を4点挙げたいと思います。

© 2016 kc-nonstepbus by sweetsugarsoul

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